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ミリンのはなし

「ミリン」というと調味料の「みりん」を思い浮かべる方が大半だと思います。

ここでご紹介する「ミリン」は、実は海でとれる海藻の一種なのです。

専門家からのご紹介

ミリンについて研究されている鹿児島大学水産学部・前田広人教授から、ミリンについてご紹介頂きます。

鹿児島大学

水産学部

前田広人教授

紅藻ミリン(Solieria pacifica)は長島町から種子島近辺に自生する海藻で、現地ではミルと呼ばれています。地元では季節の風物詩として珍重されていましたが、近年乱獲で激減しておりました。これまで人工的な大量培養方法がまだ確立されていませんでしたが、一昨年度その培養法にメドがたったのです。この紫色の鮮やかなミリンには食用のみならず、いろいろな応用が期待されています。例えば、ミリンは生理活性のあるミリンレクチンを含んでいます。いわゆる抗酸化活性(DPPHラジカル消去活性)はワカメやアオサよりも数倍高いことを確認しています。また、マウスの乳がん細胞の増殖を抑える効果も確認されています。

ミリンの栄養素

他の海藻に比べても、ミネラルが豊富。(弊社が外部機関へ定量委託)

特にカルシウムとマグネシウムは他の海藻より2~3倍も多く含まれています(下の表参照)。

※カルシウム:骨や歯を構成するミネラル

※マグネシウム:骨や歯の形成に必要なミネラル

また、食物繊維の量も他の海藻よりも豊富であると言えます。(弊社が外部機関へ定量委託)

(表)ミリンの栄養素

ミリンについての研究

ミリンの属する紅藻類は、多くの品種でその成分が各種のがん細胞に効果があるのでは、と研究がなされています。ミリンについても、その有用性について研究がなされています。その例を挙げますと、

①MITOGENIC AND ANTINEOPLASTIC ISOAGGLUTININS FROM THE RED ALGA SOLIERIA ROBUSTA(K. Hori 他, 1988)

エタノール抽出した三種のミリン成分(Solnin A、B、C)が、試験管内の実験でマウスの各細胞に関して次の効果があることが報告されています。

 1、脾臓リンパ球の分裂促進

 2、白血病細胞L1210の増殖阻害(IC50 12-18μg protein/ml)

 3、乳がん腫瘍細胞FM3Aの増殖阻害(IC50 4-8μg protein/ml)

このことから、免疫系の正常細胞には分裂や増殖を刺激する一方、形質転換細胞については増殖を阻害する効果があるとされています。

②Methanolic Extracts of Solieria robusta Inhibits Proliferation of Oral Cancer Ca9-22 Cells via Apoptosis and Oxidative Stress(Yii-Huei Yen 他, 2014)

  ※こちらはオープンソースの論文ですので、次のリンクからも読むことができます。

   http://www.mdpi.com/1420-3049/19/11/18721/pdf

エタノール抽出したミリン成分を加えた口腔がん細胞を培養したところ、口腔がん細胞にアポトーシス誘導が生じ、また、活性酸素が蓄積されることも確認されました。このことから、アポトーシス誘導と酸化ストレスにより口腔がん細胞の増殖が阻害されると報告されています。

このように、ミリンの秘めている効能は現在研究途上であり、大学を中心に現在研究が進められています。

※こちらでご紹介する情報は現在ミリンが研究されていることを示すものです。